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利己的な遺伝子|要約解説感想|誤解しないよう批判的に読もう!

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リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子 増補新装版」を読みました。個人的に勉強になった点を中心にまとめます。最後に批判的な感想も書きます。

要約

自然淘汰は遺伝子レベルで行われる

ダーウィンが提唱した自然淘汰だが、淘汰されるレベルに諸説あった。

種、群、個体などのレベルもあるが、ドーキンスは遺伝子のレベルで自然淘汰が働くと主張した。

個体レベルの利他的な行動も、遺伝子のレベルで考えると説明できるようになる。

ある個体の近親にはその個体と共通する遺伝子を持つ。共通する遺伝子の多さを「近縁度」という。

なので、ある個体が自らを犠牲にすることが、子供・親・兄妹などの繁殖を通じて自らの遺伝子の複製を増やすことにつながる可能性がある。

個体は遺伝子の乗り物(生存機械)にすぎず、遺伝子がその乗り物を支配している。

個体の利他的な行動も、遺伝子レベルで考えれば利己的ということで説明できるので、「利己的な遺伝子」というタイトルがついている。

ただ、このタイトルだと遺伝子自体にあたかも意志や目的があるかのように思えるが、あくまで自然淘汰は結果に過ぎない。

つまり、自然淘汰に勝ち残る特徴を持つ遺伝子が生き残り、複製されていくということである。

雄と雌の争い

基本的に雄も雌も自己をなるべく多く複製しようとする遺伝子に支配されている。

そのために、自分の子供への投資量を少なく切り上げることができれば、その分だけ彼あるいは彼女の作りうる子の数は増加する。

パートナーだけに子育てへの投資をさせるように仕向け、自分はそのすきに別のパートナーと新たな子供をつくるという手段。

ただし、雌がこれを行うのは雄に比べて難しい。

受胎時においてすでに父親以上に投資をしてしまっているから、当の子供が死んだ場合、彼女は父親より多くのものを失う立場にある。

母親が子供を父親のもとに残して別の雄のもとへ走るという戦術をとると、父親のほうも子を捨てるという形で報復しかねない。

雄が子を捨てた場合の損失は、雌に比べればわずかだから。

雄が有利なように思えるが、雌にも強力な切り札がある。交尾を拒否できることだ。

雌が最終的に同意するまで交尾をがまんできないような雄は、誠実な夫になる見込みがない。

長い婚約期間を強要することによって、雌はきまぐれな求婚者を除外し、誠実さと忍耐という性格を事前に示すことのできた雄とだけ、最終的に交尾すればよいのである。

雌は、交尾に応ずる前に雄が子供に対して多量の投資をするように仕向け、そのため交尾後の雄はもはや妻子を捨ててもなんの利益も得られないようにしてしまうことができる。

雄が雌に対して求愛給餌する例もある。雌と雄とが最初に子供に対して加える投資量の格差を縮めるという効果を持っている。

とはいえ、鳥類や哺乳類においては、雄のほうが逃亡の傾向があるのが普通である。

逆に、魚類のなかには雄のほうが多大な投資を子供にむける動物もいる。

魚の雌は体外に卵を産み、その後雄が精子を放出する。なので、雄は雌が卵を産むまで精子を放出することができない。

この数秒のすきに、雌は雄に子供をおしつけて逃亡することができるためだ。

息子を通じて遺伝子を増やす

雌は繁殖力の高い息子を作ることで、自らの遺伝子を増やすことができる。

雌は魅力的な特徴を持つ雄の遺伝子を組み合わせることで、繁殖力の高い息子を作ることができる。

すなわち、雌の目から見た場合に雄の備えるべき最も望ましい性質の一つは端的に性的魅力そのものということになる。

その魅力の特徴は、もともとは大きな筋肉のような明らかいに生存のために有益な性質だった。

しかし、一旦その性質が雌の間で魅力的になると、単に魅力的だというだけの理由で、自然淘汰において有利さを保持し続けうるのである。

例えばゴクラクチョウの尾羽のとほうもない形質は、この結果だと考えられる。

この考えは、ダーウィンが性淘汰という名で提唱した。

これに対し、A・ザハヴィはハンディキャップ原理というひねくれた理屈を展開した。

ゴクラクチョウやクジャクの巨大な尾やシカの巨大な角は、あきらかに生きるうえでは邪魔である。

こんなしっぽをつけているにもかかわらずなおかつ生き残れるくらいぼくは頑丈でたくましいのです、と宣伝しているのだというのである。

それらがハンディキャップとなるがゆえに進化したのだと主張しているのだ。

とはいえ、実はドーキンスはハンディキャンプ理論は信じていない。

この理論が正しいなら、一本足のシカなど極端なハンディキャップがどんどん生まれるはずだから。

感想

説明できればその理論が正しいの?

「ぼくは愛を証明しようと思う。」という本ですすめられていたので読んでみた。

ちなみにこの本の要約は以下に書いた。

僕は愛を証明しようと思う|要約書評!あらすじとテクニックも解説!

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遺伝子のレベルでの自然淘汰を考えれば、進化におけるさまざまな不思議が説明できることがわかり、非常に面白かった。

ただ、一つ注意したほうがいいと思ったのは、

「説明できる」

だけかもしれないということである。

単に説明できるだけで事実ではないかもしれないし、この理論を何かに活用して価値あることができるのかは疑問だ。

「利己的」というタイトル

また、賛否両論ある「利己的」というタイトルについて。

個体の利他的な行為に対する形で、遺伝子を「利己的」としたのだと思う。

しかし、個体の行為と遺伝子の利己性はちょっとレベルが違いすぎる話だと思う。

遺伝子の場合は、意志をもっているわけではなく、単に淘汰された結果すぐれた遺伝子が残ったという結果にすぎない。

それが後から振り返ると、意志をもって利己的に見えるというだけ。

キャッチーで覚えやすいが、かなり誤解を与えるタイトルだ。(ドーキンス自信も認めている)

「遺伝子淘汰論」とかのほうが、誤解を与えないだろう。売れなさそうだが。

日本人には「利己的」だと理解しやすいわけではない

この本には、生物の個体にみられる利他的な行動が非合理的で説明しにくいもの、という暗黙の前提がある。

なので、遺伝子レベルに落とすことで、これらの行為が全て「利己性」から由来するものだとして納得するのがこの本の目的に思えた。

経済学などの欧米由来の学問は、人間は自分の利益を最大化する、という根本原則に沿って構築されている。欧米人にとってはもっとも理解しやすい考え方なのかもしれない。

しかし、日本のようなアジア圏にある国では、この本でかかれているような個体の利他行動が、必ずしも理解しにくいものではないのではないか。なので、あえて利己性に来する必要がなくなる。

では、日本人にとってこの本を読む価値がないかといえばそういうわけではない。

利己性に来するかどうかは別として、「一つの原則で説明する」ということは、シンプルで理解しやすいという意味では十分価値がある。

ただ、日本人にとっては、逆に「全て利他性に来する」という結論にしても同様の価値があると思う。

遺伝子や進化の話か?個体の戦略論か?

「雄と雌の争い」あたりで疑問だったのは、このあたりはどうも人間を前提にしているように感じた。

「子供に対する投資量が大きくなるとなかなか逃げることができない」といった考え方は人間以外の動物はしないのではないか。

人間以外が投下済みの投資量を考慮して行動を変えることがあるだろうか。

また、進化や遺伝子の話というよりは、個体が合理的な戦略をとるとこうなる、という話のようにしか思えなかった。

とはいえ、人間の男女の行動を考える上では非常に参考になった。

人間の行動は心理学的、社会学的にしか考えたことがなかったが、このような進化生物学的な考えで理解したほうが意味があるように思えた。

ハンディキャップ理論は性淘汰に反していない

ハンディキャップ理論はダーウィンが提唱した性淘汰という考えに反対するかのように読めるが、よく考えると雌の息子を通じた遺伝子の流布という部分は共通している。

なので、ハンディキャップ理論は性淘汰の別バージョンと考えたほうがわかりやすい。

ミームという考えはマユツバ

本の後半には、「ミーム」という概念が登場する。

アイディアや文化、芸術の広がり方についても、遺伝子と同じように自己複製子のモデルが適用できる、という。

つまり、遺伝子と同じようにアイデアには淘汰が働き進化していく、というものだ。

最初に読んだ時には、「たしかにそうだ!」と思った。

しかし、同時に「だからどうしたの?」と思った。

「同じモデルで説明できること」にどれだけの価値があるのか。

遺伝子と違って顕微鏡で実体を確認することのできないものについてまでこのモデルをわざわざあてはめる必要があるのか。

読者の納得感が上がって気持ちがよくなるだけではないか。

この本にミームの概念を登場させたことにより、前半部分の遺伝子の話の説得力まで落ちてしまう気がするのは私だけだろうか。

さいごに

批判的な感想も述べましたが、人の気持ちを生物学的に考えるという自分にとってはライフチェンジングな本になりました。

残念ながら文庫版やKindleなどの電子書籍もなく、結構重い本なのですが一読してみるといいかもしれません。

最近、新しい版が出たので、今から買う人はこちらの方がいいと思います。

リチャード・ドーキンス (著),‎ 日髙敏隆 (翻訳),‎ 岸 由二 (翻訳),‎ 羽田節子 (翻訳),‎ 垂水雄二 (翻訳)

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